月刊ニヒリスト

ニヒリストが日々あったことを綴るブログです。

ダイエットランド

仕事が休みで暇だったのでプライム・ビデオで視聴できる 「ダイエット・ランド」を4話からシーズン1の最後までいっぺんに見た。めちゃ面白かった。
適当にあらすじを書いていく。
主人公は女性誌の相談コーナーを書いている肥満体の、おそらく40歳くらいの在宅勤務の女性ライター。日々、ティーンエイジャーの悩みと向き合い、自分の悩みとも向き合っている。ある日、主人公の暮らす街(ニューヨーク?)で殺人事件が起きる。それは(どんな事件だったか忘れたが)、女性に対する社会の抑圧を批判するメッセージが込められた事件だった。それからそのテロ集団はレイプ犯や性犯罪者、あげくの果てには過激DVDに出演する有名なAV女優まで次々にメッセージ付きで殺害し、その主張は反発を招きつつも先進的な女性たちの間で徐々に受容されていく。どんな主張だったか?それはあまり覚えていなくて、プラム(主人公の女性の名前)の主張は明確で分かりやすかった反面、テロ集団の主張はなんか曖昧だった印象がある。とりあえず美至上主義や女性を物として扱う思潮に対しての反発がメインだった。
それで、主人公のプラムはそのテロ集団に関与していると思しき女性に目をつけられ、「あなたはテロリストの素質がある」というようなことを言われる。主人公は最初はその言葉をまともに受けなかったけれども、自分が太っているからという理由で愛されない、酷い扱いを受ける(また別の理由で解雇される)のを経験して自分も「地下で不満を抱く反乱者」として、その組織に関わる決意を固めていく...
途中でプラムにお金を渡すから自分たちの、テロとは別の?(もしかしたらテロへの資金提供者じゃないかと疑われている)慈善団体の施設に入寮してくれと勧められたり、プラムが記事を書いている雑誌社の地下のコスメルームにテロの首謀者と疑われている女の子が出入りしていたり、そのコスメルームを仕切っている女の人がまたなんかよく分からなかったりと、シーズン1を見終わった後でも、謎が山のように残されていて、非常に楽しみである。テロ集団の主張が曖昧だったのもあまり明確なメッセージを打ち出してシーズン1のうちからテロ集団の正体を明かしたくなかった面もあるだろう。
シーズン2はいつ公開されるんだろう?早く見たい。

 P.S何が面白かったのか書いてなかったので追記すると、(僕も含めた)太っている人に社会がいろいろ言ってくることに対して異議申し立てできるんだという可能性を開かしてくれた点。デブは健康に良くないし、見た目も良くないからなるべくなら痩せるべきだと、たいして実行こそしていなかったけれども(でもこのドラマを見ながらいつもエアロバイクを漕いでいた、十分くらい)思っていたから、デブも誇っていいんだと初めて気づかせてくれた。

でもどうなんだろな、デブが迫害されているから革命を起こしてデブに優しい社会が到来したとしても、デブは健康に悪いのだからそれを手放しに承認していいものか。アル中の人に、アル中も本人の自由だし、その人なりの美学があるのだから誇っていいし、続けていいと言っちゃって構わないのだろうか。

同じことが路上生活者にも言えて、このあいだ、路上生活者に弁当を配る活動に参加してきたのだけど、その活動の主催者がブログか何かに「路上生活者が自分の生活に誇りを持てないのが良くない。自尊心がないから就職活動もうまくいかないし、何かを変えよういう意欲も湧かない」というようなことを書いていた。そのとおりだと思うのだが、かと言って路上生活者に誇りを持って外で生活してもらって冬に凍死されるのもまた大変な不幸なわけで...いくら自尊心があったからと言ってそれは不幸じゃないですかね。

 

この問題については、また発見があったら何か書きます。