月刊ニヒリスト

ニヒリストが日々あったことを綴るブログです。

『デトロイト ビカム ヒューマン』 クリア

デトロイト ビカム ヒューマン』をクリアした。
基本的には進化させすぎたアンドロイドが人間の理不尽な扱いに耐えきれず反乱を起こし、「人」権の獲得を目指すという物語だったが、プレイヤーの選択次第でストーリー展開が変化するから、あくまで僕の物語はそうだっとしか言えない。三人のアンドロイドが出てきて、一人は老画家に飼われ、愛情豊かに扱われていた介護用の男性アンドロイド。不慮の事故から廃棄処分されかけ、「地獄を見る」ことにより、革命を志す。もう一人は酒に溺れた、むさい男に妻役として飼われ、家事や子供の世話をする女性アンドロイド。男が子供に虐待するのに耐えきれず、子供を連れて安全な場所を目指す。最後の一人は各所に現れる、人間の言うことを聞かない「変異体アンドロイド」を捜査し、逮捕する役目を負わされた刑事アンドロイド。冷静沈着な性格で、酔いどれ刑事ハンク(人間)とともに変異体アンドロイドの行方を追う。
この三人の行動のバランスによって物語の展開は変わっていく。革命をあまり過激化させると、世論が悪化し、子供を連れて安全な土地(カナダ)へ向かう女性アンドロイドの道は閉ざされる。刑事役の変異体捕獲の任務を優先させすぎると、革命は阻害され、女性アンドロイドのカナダ亡命の道も険しくなる。
人間をとるか、アンドロイドをとるか、物語が進むに連れてプレイヤーは決断を迫られる。僕としてはゲームを進めていくうちに、どんどんアンドロイドのほうが人間としてまともだと思うようになり、革命を過激化させ、おかげでカナダ亡命も女性アンドロイドの死という大きな犠牲を強いることとなった。ルックス的に一番気に入っていたキャラだったから(獲得ポイントで買えるキャラクターの3Dモデルもこのキャラのものだけたくさん買った)、死ぬたびに三回くらいやり直して死なない道を探したが、攻略サイトを見てもどうしても死ぬみたいだったので諦めた。
でもだからと言って、革命を温情的にしても殺されて終わりだったとか思えない。武装化せずにデモ行進だけしても撃たれるか、爆弾を落とされて終わりだったと思う。だったら多少の犠牲を払っても効果を狙ったほうが良かった気がするからそうした。結果としては領土をもらえたからいいんでないか。
親が旅行の帰りに買ってくれた日本酒を飲んでめちゃ酔っ払っているけれども、情に訴える革命はあり得るだろうか。デモ行進してても味方は次々に殺される。逆に武器を持って敵対すれば、生き残ったまま次へ進める。しかしその次がまた暴力しか産まないのなら意味がない。結果的には武器を持って立ち上がり、領土を勝ち取った。十分な前進といえる。こんな感じで戦いで自分たちのものを増やしていけばいいんではないだろうか。しかし殺された遺族はいつまでも覚えている。アンドロイドに人を殺されたことを。
難しい問題ですね。えらく真面目に書いてしまった。