月刊ニヒリスト

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「浮き草たち」を見た。

「浮き草たち」という映画をさっき見た。

簡単に言うと、アメリカのギャングの手下の仕事を、服役中の兄貴の代わりに請け負った弟が、仕事(荷物の受け渡し)を失敗し、運転手役として来ていた女の子となんとか仕事のケリをつけ、報酬を受け取り、それぞれの生活に戻っていくのだが、女の子の方が悪党とまだ手を切れず、悪党のもとへ返したくない弟が彼女を引き連れて逃亡生活を始める、という内容だった。

はっきり言って、恋愛を見せたいだけの映画だった。荷物の受け渡しに失敗し(別の人の荷物を受け取ってしまい)、実際ならギャングの手下から相当の脅しやら叱責が飛んでくるはずなのに、まったくなしで、取り違えた荷物の中から見つけた薬の処方箋の住所の家で、男は髭を剃り、女は優雅にドレスアップして、出かける始末。完全にデートである。それで別人に渡した荷物を取り返して悪党のもとへ届けるのだが、そのシーンも緊張感まるでなし。悪党は荷物が戻ってきたことに安堵の笑みを浮かべ、本来、渡すべき人だった人のところへ二人を車で送り届ける。それで、荷物を渡して、すんなり報酬を受け取り、女の子は悪党のもとへ帰ろうとするのだが、弟は帰したくないから引き止め、二人で逃亡生活を始めるというところで映画の幕が閉じる。なんというか、決して妬みではない(確かに女の子はめちゃ可愛かった。)と信じたいのだが、こういう映画って悪党がプレッシャーをかけるから成立することない?恋愛に発展する要所要所で、悪党が邪魔をしてきて、それを乗り越えようとするから燃えるんでしょ?ほとんどなんの障害もなく、楽々と恋愛が成就する物語の、どこに共感を寄せればいいのか、皆目見当がつかなかった。

確かに女の子は可愛かった。アホな弟をからかう女の子の嘲りの表情も可愛かったし、時折、冴えたことを言う弟に感心する女の子の表情も可愛かった。というか、すべてが可愛かったのだが、ストーリーとしては共感できるポイントもなかったし、展開も丸見えで、何を意図して作ったのかまるで謎な映画だった。

 

浮き草たち

https://eiga.com/movie/85685/

 

 

※そういえば、三十歳になりました。