月刊ニヒリスト

ニヒリストが日々あったことを綴るブログです。

本棚のペンキ塗り

10月の更新を忘れて失敬!

 

先週、床に山積みされた本がうっとおしくて、ネットで本棚を買って組み立てた。しかし本棚の素材が、木材にプリント板を上から貼り付けた感じで、なんかわざとらしいと言うか、違和感ありまくりだったので、上から色を塗ろうと思って、友達を焼き肉で釣って色塗りをやった。

 

ネットで事前に調べた情報によると、買った本棚のプリント繊維化粧板はウレタンマットという下塗り材をスプレーして乾燥させた後、水性のペンキを塗ると、うまいこと色が乗るらしい。ホームセンターでネットに載ってある商品を購入し、本棚を近くの公園まで運び、まずは下塗り材を塗布した。乾燥までに40分必要ということだったので、本棚を公園に放置したまま家で待っていた。すると、外から雨の音が聞こえ、せっかく下塗り材を塗って乾かしていた本棚がびしょ濡れになり、ついでに下に敷いていたダンボールもびしょ濡れになった。急いで本棚を家に戻し、乾いたタオルで本棚を拭き、友達と相談した結果、家の中で作業をしようということになった。床に新聞紙やビニール袋を敷き、その上で再び下塗り材を本棚に塗布する。ドアとベランダの窓を開けて、風通しを確保した上で十五分待ち、まあ、乾燥しただろうというところで、ペンキを塗り始めた。しかし塗っても塗っても板がペンキを弾き、まったく色が乗らなかった。「ちゃんちゃん♪」、ということで解散という雰囲気だったが、友達に焼き肉をおごる約束だったから、それはちゃんと守ると言った。三千円以内で。「あ、でも今回は色塗りに成功してないから二千円な」と言ったらそれには反対されて、三千円以内で奢ることになた。焼肉屋は近所にないから以前その友だちと行って最高に美味しかった近所の中華料理屋に行こうという話になった。

 

家でしばらくグダグダした後、中華料理屋に行って、八宝菜といくつか料理を注文した。前に行ったときは登山帰りだったから「登山補正」が効いて美味しく感じるのかと若干、懐疑を抱いていたが、相変わらず絶品で、眼を見張るほど美味しかった。ほかの八宝菜と明らかに違うのだ、何かが。エビやイカなどの海鮮素材がとろみのあるスープに良いだしを出しているのと同時に、野菜に対する火の通り方が絶妙と言うか、どうやったらこれほど美味しく作れるのか、キッチンの奥にはどんな魔法が秘められているのか、確かめてみたいほどの驚異的な技。舌の肥えた、寿司屋の息子である、その友達も「近所にこんな美味しい中華料理屋があるなんて羨ましい」と言っていたが、まったくもってその通りだと思った。

 

その感動は冷めやらぬうちに、友達と喧嘩を始めてしまったのが、残念なところだ。友達に「批判ばかりする、閉じた人間」と言われてしまった。「ジョーカー」やその他もろもろの作品を批判(というか、けなし)しているのを聞いてそう思ったらしい。正直けっこう当たっていると思ったので、ここ二三日、落ち込んでしまった。あと、「冷めた人間」というのも言われた。

それから、いろいろ考えたり、本を読んだりして思ったのだが(これも冷めた人間の意見だが)、人には映画や小説を鑑賞しているとき、その世界に入りきっているときの、心の動きや思考がある一方で、それを鑑賞し終えた後に、評価したり、自分の中で位置づけたりする局面がある。僕は後者に偏り過ぎなんだというふうに思った(※1)。もっと作品の中にいたときの気持ちを重視してもいいかもしれない。前者のほうが重要な理由は特にないが、そんなふうなことを考えた。

 

 

以上です。

そう言えば、また転職したのだが、そのことについてはまた書く。

 ※1 他にも「無職で卑屈になってた」とかいろんな理由をでっち上げられるが、普段から卑屈なのは抗いようのない事実な気がします。気をつけます。