ラストオブアス2
ラストオブアス2をクリアして、エンディングのテーマ曲を聴いているところ。
映像はとてつもなく綺麗だったし、戦闘やクラフトシステムも前作同様、よくできていていたのだが、巷で言われているようにストーリーが酷かった。プレイヤーがまったく動機付けされていない行為を強制的にやらされるところが特に酷かったように思う。
やってない人向けにストーリーを簡単に説明すると、人類の大半がウォーカーというゾンビになっちゃった世界で、唯一抗体を持つ(噛まれてもゾンビにならない)、エリーという子供を、ジョエルという元強盗?が、科学者連中に引き渡してワクチンを作ってもらおうと奮闘するのが前作だった。しかし結局、ワクチンを作るためには、エリーの命を犠牲にしなくちゃならないことが判明し、それまでの冒険の過程で親子愛みたいな感情をエリーに対して抱いていたジョエルは猛反発し、科学者連中を皆殺しし、死体の山を築く。子を思う気持ちは分かるけど、科学者たちにも家族がいるのに、こんなに死体の山を築いちゃっていいの?と敵に火炎瓶を投げたりしながら思ったものだった。
そして今作は、研究所のリーダーの一人娘であるアビーがエリーの他に操作できるサブ主人公になる。父親を殺害した上に、人類をウィルスから救う機会を壊したジョエルに対して、当然ながら強い復讐心を抱いている。それで、ジョエルとエリーが当番制の街の巡回をしているときに、ジョエルを捕獲し、エリーの目の前で見せつけるようにバッドで撲殺する。このシーンは結構グロくて、手足を縄で縛り付けて身動きできない状態にして、顔や胸や膝を思いっきりバッドで殴る残忍な殺し方で、前作で感情移入していたプレイヤーは不快感マックスになったに違いない。しかも、この時点ではプレイヤーは、なぜアビーがジョエルを殺すのかを知らなかったから(アビーが研究者の娘であったことはあとで発覚する)余計である。
まあ、それで話は血みどろの復讐劇になっていく。エリーはジョエルが殺されたことが許せないし、アビーはせっかく殺さずに見逃してやったのに、(エリーが復讐の過程で)アビーの仲間や元恋人を殺してしまったことが許せない。
復讐劇は別にいいのだが、きついのは、このゲームではプレイヤーにもう一人の主人公を殺すことを強制させること。エリー編では、アビーがジョエルを殺したのにはそれなりの訳があったし、同情できる面があると思いながらアビーにナイフで斬りかかり、アビー編では、エリーはジョエルが殺されたのが悲しかったんだと思いながらエリーをボコボコに殴る。この主人公同士の戦闘が本当に苦痛だった。プレイヤーにどういう気持ちでやって欲しいのか、制作者の意図が不明だった。
まあそれで、一応収集がついて(エリーはアビーは殺せなかったが、アビーの仲間のほとんどは殺せた。)、エリーは同性の恋人と、その恋人の赤ん坊と共に、田舎の家で小麦と羊を育てながら悠々自適に暮らす。しかしジョエルが殺される光景がPTSDのように頭から離れない。
ある日、ジョエルと一緒に拐われて生還した知人?から、アビーのいる場所について聞かされる。その知人から一緒に復讐しに行こうと誘われるが、最初は断る。しかし、頭から離れず眠れないという理由で、再度、一人で殺しに行くことを決意。
最後は海辺で二人が殴り合うシーンなのだが、ここでもプレイヤーはアビーの頭を掴んで溺死させるのを■ボタン連打でやらなければならない(エリーの指を噛みちぎって回避される)。それも苦痛だった。
あれだけ痛い目にあって、仲間も何人も殺されて、なおも復讐しに行くエリーにまったく共感できなかった。相手の親をジョエルが殺したことは知っているはずなのに、なぜ最後まで相手を殺すことに執念するのか、PTSDが続いて頭がおかしくなった以外の理由が思いつかない。
全世界の人の命よりもエリーの命を取ったジョエルの判断を正当化させるためには、世界の命を優先する科学者集団(前作のファイヤーフライの後継のウルフという集団)を根絶やしにするしかないと無理筋な理屈を考えてみたが、エリーの所属する部族だって世界の命を優先するだろう。その証拠に、同じ部族内の他の人には黙っていたみたいだし。
優しい子だったのに、なんであそこまで復讐魔になってしまったんだろうな。
↓人気がないのか、いま新品でも二千円前半で買える。僕が先月買ったときは、3200円だった。